QC検定3級問題

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問題 8

 次のQCサークル紹介、製品の概要、並びに現状把握の状況を読んで、それぞれの設問の指示に従って答えよ。



 結成間もない組付工程のQCサークルが、職場で発生している品質問題の中から“プラスチック部品Aの傷不具合対策”をテーマに取り組むことにした。私は、このサークルのアドバイザーであり、常に的確なアドバイスを心がけている。なお、この職場の課長品質方針は、“外観不具合の撲滅”である。


ステップ1:背景

 このサークルは、プラスチック部品Aの量産を開始するにあたって新設された職場のQCサークルで、リーダーと一部のメンバーを除けば、問題解決の経験が浅い。この活動は、このサークルが初めて取り組むテーマである。問題解決の手順に沿った進め方を体験してほしいと考えて、取り組むポイントをアドバイスしてきた。


ステップ2:製品の概要

 この製品は、生産を開始して間がなく、幅が40cm、高さ25cm、厚さ3cmほどのプラスチック製の部品に塗装をしたものである。前工程の職場で塗装した半製品(製造途中にある製品)の供給を受け、当職場の部品組付の工程で、半製品を固定する道具と組付工具を使用して組み付けて、完成品にするもので、製品表面か利用者からよく見えるため、外観品質が厳しく求められ、わずかな欠点も許されない製品である。工程の概要は次のとおりである

塗 装
 →
部品組付
 →
完成品検査
箱 詰


ステップ3:QCサークルが行った今日の現状調査の状況

今日は、午前に4個、午後に6個、合計10個の不適合品があった。
生産数は、午前180個、午後240個と普段と変わりなく、不適合品数も普段と差はなかった。
不適合品10個には、すべて表面に傷が発生していたが、傷以外の外観不具合はなかった。
1個の製品で、2か所に傷のある製品もあった。
傷は、長さが1.5mmから3mmの大きさで、上から下に向かって引っかいたようなものと、右斜め上から左下に向かって引っかいたようなものの2種類があった。傷の幅は1mm程度、深さはほとんどないが、光の当て方によってはよく目立つものであった。
すべての不適合品を集めてみたところ、製品の右上隅部付近に1か所の傷が発生しているものが9個、右上隅部付近と左隅部付近の両方に1か所ずつの傷が発生しているものが1個であった。
右上付近と左付近を除いた他の部位には、傷の発生は見られなかった。
傷は、すべてが塗装の後(塗膜面)に付いたものであることもわかった。


[1] 次の文章において、[  ] 内に入るもっとも適切なものを下欄の選択肢からひとつ選び、その記号を解答欄にマークせよ。ただし、各選択肢を複数回用いることはない。

 “改善手順” のステップである “目標設定” “要因の解析”に進むにあたり、上述の現状調査の結果と取り組む考え方を次のように整理した。

この事例の傷不具合は [ 1 ] であり、“要因がどうなったときに、この不具合が生しるのか”を見つけ出す必要がある。
全く発生していない部位と集中的に発生している部位とにどんな[ 2 ]があるのかに着目する必要がある。
塗装後の傷付きであることがわかったので [ 3 ]工程も含めた検討が必要である。
傷の大きさや引っかいた方向に注意して [ 4 ] を観察する必要がある。
目標は、課長品質方針で“外観不具合の撲滅”が揚げられていることと、現状調査の結果も考慮すると、[ 5 ] を目標に掲げて取り組むとよい。



【選択肢】
ア 差(違い) イ 傷不具合“半減” ウ 慢性的不具合 エ 前
オ データ カ 傷不具合“0(ゼロ)” キ 散発的不具合 ク 後
ケ 現場





[2] 次回のサークルの会合で取り組む“現地・現場調査”について、アドバイスしようと思う内容の文章で、正しいものには ○  正しくないものには × を選び解答欄にマークせよ。

現場調査の着目点を明確にするため、特性要因図を作成することにした。そのために大きい紙を現場に張り出し、気付いたことを何でも書き出してもらうようにしたが、用意した特性要因図は、現状調査の結果を生かして、
a)製品の右上隅と左下隅に引っかき傷が発生する。
b)傷は上から下方向に引っかかれている。
c)傷は右斜め上から左下方向に引っかかれている。
と、それぞれの特性を書いた。合計3枚の特性要因図を現場に掲示するとともに、“左上隅と右下隅には引っかき傷が発生していないことに注目しなさい“ との注意書きを添えることにした。
[ 6 ]

前工程より持ち込まれた半製品に傷不具合がないかの検査は、前工程の行うべき役割と考えたので、自工程では検査を行わず作業に取りかかることにした。
[ 7 ]

不適合品の10個から、代表的・特徴的なものを選び、不適合見本として現場に掲示する。
[ 8 ]

次回のサークルの会合までの間に、傷不具合品が発見されたときは、その都度、すぐにサークルメンバー全員が集まることとし、私が課長に説明して了解を得た。
[ 9 ]



【解答】

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演習問題の参考・引用文献は → こちら


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